接触皮膚炎は、接触性皮膚炎(かぶれ)とも呼ばれます。
刺激物質により表皮細胞が産生したATPが放出されることにより、
隣接する表皮細胞が炎症誘発性ケモカインを産生します。その結果、皮膚の炎症につながります。
【亜鉛欠乏の人は?】
1.皮膚細胞から過剰に細胞外ATP(炎症の誘因物質)が産生される
2.炎症を減らす火消し役「ランゲルハンス細胞」 (緑:細胞外ATPを分解)が少ない
亜鉛欠乏の人は、免疫異常・炎症を起こしやすくなります。
一方で、免疫機能の低下も引き起こします。
①抗体形成の低下
②NK細胞による殺傷活性の低下
③顆粒球・単球・マクロファージにおける食作用と細胞内死滅のレベルの低下
Rink, L., et al.(2007). Zinc homeostasis and immunity. Trends in immunology, 28(1), 1-4.
【テープによる皮膚障害(テープかぶれ)の原因は2つ】
①物理的刺激による 皮膚障害:角質や表皮の剥離など
②化学的刺激による 皮膚障害:テープに含まれる刺激物質が原因。「一次刺激性接触皮膚炎」(Irritant Contact Dermatitis:ICD)と「アレルギー性接触皮膚炎」(Allergic Contact Dermatitis:ACD)に分けられます。
ちなみに、精神科治療においては、ムズムズ脚症候群治療薬のニュープロパッチ(ロチゴチン)、抗認知症薬のリバスタッチパッチ・イクセロンパッチ(リバスチグミン)や、抗精神病薬のロナセンテープ(ブロナンセリン)などの貼付剤があります。
●まとめ
亜鉛欠乏によって免疫異常と炎症が起こりやすくなります。
テープかぶれのリスクも上がります。
ストレスが多い方、メンタル不調者、高齢者、アスリート、成長期のお子さんは、低亜鉛血症の方が多いです。
血液検査を行い、低亜鉛血症の有無を確認しておきましょう。
日本栄養精神医学研究会 奥平智之
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