一部の抗てんかん薬(カルバマゼピン・フェノバルビタール)やステロイド、胆汁酸、セントジョンズワート(成分のハイパーフォリン)、コーヒー(成分のカフェストール)は、プレグナンX受容体を活性化します。
プレグナンX受容体は、活性型ビタミンD3を不活性型に代謝する酵素(ビタミンD分解酵素)であるCYP24を誘導します。
プレグナンX受容体は、「ステロイドおよび生体異物検知核内受容体」とも呼ばれ、肝臓の解毒酵素を刺激します。
具体的には、プレグナンX受容体は、ステロイドグルタチオンS-トランスフェラーゼなどのフェーズII結合酵素、およびフェーズIII輸送取り込みおよび排出タンパク質の発現を増やします。
●まとめ
抗てんかん薬やステロイドなどを服用している方は、特にビタミンD欠乏に注意しましょう。
※コーヒーの「カフェストール」とは?
コーヒーは、炭水化物、脂質、窒素化合物、ビタミン、ミネラル、アルカロイド、およびカフェイン、カフェストール、カーウェオールなどのフェノール化合物を含む、1,000を超えるさまざまな化学物質で構成される化合物の複雑な混合物です。
(Spiller MA. Caffeine. Boca Raton: CRC Press; 1998. The chemical components of coffee; pp. 97–161. )
コーヒー豆中にはカフェストールが多く含まれているため、コーヒー豆そのものや焙煎し挽いたものを摂取すると、血清中の総コレステロールとLDLコレステロールが上昇します。(Urgert R, et al.The cholesterol-raising factor from coffee beans. Annu Rev Nutr. 1997;17:305-324.)
カフェストールの濃度はエスプレッソコーヒーで比較的高いですが、一回に飲む量が少ないので、カフェストールの量としては中程度です(4mg/杯)。
スカンジナビアンコーヒーやトルココーヒー、フレンチプレスコーヒーは相対的に高いレベルのカフェストールを含んでいます(6-12mg/杯)。
一方、フィルターコーヒー、ダンク式コーヒー、インスタントコーヒーでは0.2-0.6mg/杯と含有量は低いです。
(Gross G, Jaccaud E, et al.Analysis of the content of the diterpenes cafestol and kahweol in coffee brews. Food Chem Toxicol. 1997;35(6):547-554. )
多少のカフェストールは挽いたコーヒー豆からコーヒーを淹れる際に抽出されますが、大部分はフィルター紙によって除去されます。
カフェストールは、CYP7A1のダウンレギュレーションによって胆汁酸合成を抑制します。(Post SM, et al.2000 Cafestol increases serum cholesterol levels in apolipoprotein E*3-Leiden transgenic mice by suppression of bile acid synthesis. Arterioscler Thromb Vasc Biol 20:1551–1556)
そして脂質の合成を増やします。
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奥平智之
日本栄養精神医学研究会 会長
医療法人 山口病院 副院長
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