認知症予防におけるポリフェノールのベスト3は、
①クルクミン②レスベラトロール③エピガロカテキンガレートです。
①クルクミン:カレーのターメリック(ウコン)の黄色のもと
②レスベラトロール:ベリー類
③エピガロカテキンガレート:緑茶
《①クルクミン》
クルクミンは、ショウガ科に属します。皮膚や筋肉の炎症を治すための薬草療法として、伝統的なインド医学や漢方薬で何世紀にもわたって使用されてきました。
豊富な食事を摂取している70〜79歳のインド人は、同じ年齢のアメリカ人よりもアルツハイマー型認知症を発症する発生率が約4.4倍低いという観察結果があります。
クルクミンは、ヒドロキシルラジカルとスーパーオキシドラジカルを除去することができ、その抗酸化活性はビタミンEの一種であるα-トコフェロールよりも約4倍高いと考えられています。
レドックス(酸化還元)活性金属である鉄や銅と結合することにより、金属キレート剤としても機能し、アルツハイマーの動物モデルの脳における核因子カッパB(NFκB)経路の金属誘導阻害を介して神経炎症を防ぎます。
酸化ストレスとAChE(アセチルコリンエステラーゼ)活性を減少させることにより、記憶障害を減少させる可能性が動物実験で示唆されています。
クルクミンは、動物実験で、血液脳関門(BBB)を通過し、アミロイドβ分解を引き起こす可能性が示されています。
《②レスべトラロール》
ブドウ、クランベリー、ワインなどの果物や飲み物に含まれています。
レスべトラロールは、ケガ、真菌感染症、紫外線などのストレスにさらされた後、植物から合成される物質です。
レスべトラロールは、血液脳関門(BBB)を通過し、脳損傷に対する神経保護効果を生み出すことができます。
レスべトラロールの抗酸化特性は、内因性抗酸化酵素の発現を刺激する能力とも関連しています。
健康なラットでは、レスべトラロール投与により、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)やカタラーゼ(CAT)などの解毒酵素の活性が増加し、マウスの脳内の酸化促進酵素であるマロンジアルデヒド(MDA)の活性が減少しました。
《③エピガロカテキンガレート》
お茶に含まれる最も豊富なカテキンです。
動物実験では、活性酸素を産生を減少させ、海馬・皮質・線条体に由来するミトコンドリアのATPレベルを増加させることにより、アミロイドβレベルを低下させました。
そして、認知障害の改善やアセチルコリンエステラーゼ活性の低下も観察されています。
《その他》
④アブラナ科(芽キャベツ、ケール、カリフラワー、ブロッコリー)に属する「イソチオシアネート」
⑤ブロッコリーやそのスプラウトに含まれる「スルフォラファン」
Giacoppo, S., et al (2016). Natural phytochemicals in the treatment and prevention of dementia: An overview. Molecules, 21(4), 518.
●まとめ
これらの食事の認知症患者におけるの有効性はまだ十分に実証されていませんが、認知症予防の一助になることが期待される代表的なポリフェノールです。
アンチエイジング(抗酸化・抗炎症)対策として意識して摂っておきたいものです。
疫学研究は、ポリフェノールの消費が、癌、心血管疾患、そしてアルツハイマーなどの神経変性疾患を発症するリスクの低下と関連している可能性があることを示しています。
「認知症対策は食事から」
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「メンタルヘルスは食事から」 日本栄養精神医学研究会 奥平智之 作成
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