「隠れマグネシウム欠乏」の人は多いです。
マグネシウムは免疫機能を最適な状態にするために欠かせない栄養素です。
マグネシウムはナチュラルキラーとT細胞の反応性の補因子でもあり、マグネシウム欠乏は、免疫力の低下につながります。血清血液中のマグネシウム濃度が低いと、感染リスクが高くなることが示唆されています。
Van Laecke, S., et al. Magnesium and infection risk after kidney transplantation: An observational cohort study. Journal of Infection, 2016; 73(1), 8-17.
また、Mg欠乏は、T細胞の分化・成熟など免疫系に関与する「胸腺」の萎縮を加速させます。
Malpuech-Brugère C, et al. Accelerated thymus involution in magnesium-deficient rats is related to enhanced apoptosis and sensitivity to oxidative stress. Br. J. Nutr. 1999; 81: 405–411.
さらに、マグネシウムは白血球活性や食作用に対しても関与しています(Pierre Delbet)。
慢性炎症の軽減にも関与しています。閉経後の女性に関するコホート研究において、マグネシウムの摂取量と、炎症に関係するバイオマーカーの数値とが反比例するとの報告があります。これは、マグネシウムの摂取量が多いほど体内の炎症反応が少ない傾向を示しています。
Chacko, S. A.,et al. Relations of dietary magnesium intake to biomarkers of inflammation and endothelial dysfunction in an ethnically diverse cohort of postmenopausal women. Diabetes care, 2010; 33(2): 304-310.
メンタル不調も免疫力低下につながります。マグネシウム欠乏は、筋肉の緊張、エネルギー低下につながります。マグネシウムと亜鉛は、脳内神経伝達物質GABA(ギャバ:γ-アミノ酪酸)高める働きをします。GABAを増やすと、神経系がリラックスし、脳の活動が低下し、不安とストレスが減少します。また、セロトニン産生にも重要です。マグネシウムは、メラトニン産生に間接的に必要で、ありマグネシウム欠乏は、睡眠にも影響を与える可能性があります。
マグネシウムは数多くの酵素活性に関与しており、タンパク質合成に必要です。タンパク質も免疫に重要な役割を果たします。マグネシウムはビタミンDに密接に関与しており、ともに免疫力において重要な栄養素です。
マグネシウムが豊富なにがりの活用をおすすめします。にがりは、塩を抽出した後、海水から作られ、その主成分は、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、臭化マグネシウムです。昔から、豆腐の凝固剤として使われてきました。にがりを数的垂らすと水がまろやかになります。味がしょっぱくならない程度に使いましょう。
写真 雑誌 壮快 2020年7月号 マグネシウム欠乏 奥平智之
日本栄養精神医学研究会 奥平智之 作成
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