【腸内細菌叢の組成に影響する因子】
腸内細菌の組成は、①住んでいる地域・地域固有の食事、②年齢・健康状態、③遺伝子によって、変わります。
出生時、乳児の腸は微生物群集を含まないか、少なくとも非常に少ない種を含むと考えられています。その後、腸内細菌叢は、生後2年以内のコロニー形成、発達、成熟などのさまざまな段階で劇的に変化します。
上記の要因に加えて、①分娩様式(膣または帝王切開)や病院環境、②抗生物質への暴露、摂食の種類、③プレバイオティクス/プロバイオティクスの使用などの要因があり、これらは腸内細菌叢の変動性に重要な役割を果たします。
分娩様式に関する比較研究により、腸内での微生物のコロニー形成は膣分娩と帝王切開分娩で異なり、幼児の幼少期の免疫系の発達に影響を与えることが示されています。
同様に、乳児期の抗生物質への曝露は腸内細菌叢を直接変化させ、乳児の異常な体重増加を強制し、炎症性腸疾患、喘息、アレルギー、関節炎、多発性硬化症などの自己免疫疾患の原因となります。
さらに、授乳のタイプは、乳児の腸内細菌叢の変動性の重要な要因としても発見されました。ある研究では、粉ミルクで育てられた乳児は母乳で育てられた乳児よりも大腸菌、C.difficile、バクテロイデスをより多く含むことが示唆されました。
経膣分娩と授乳は、健康な腸内微生物叢を維持するのに最適であると考えられています。
Manish Kumar, et al: 2016 改変
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