①速度の障害:最終的には目的に達する! ・観念奔逸・・躁状態、統合失調症の興奮、視床下部の病変 ・思考制止・緩徐化・・うつ状態、認知症、躁病相昏迷 ・迂遠・・てんかん、学習能力障害、強迫性パーソナリティー、認知症
②連続性の障害:目的に達しない! ・保持障害・・全般性および局在性の脳器質性障害 ・思考途絶・・統合失調症、強い不安で会話の道筋が追えなくなり思考が途絶しているように見えることもある
✳︎ 観念奔逸(かんねんほんいつ)→思考プロセスが異常に亢進し、さまざまな考えがとめどなく湧いてくる状態。 早口になって、駄洒落や語呂合わせも頻出する。 →躁状態に多い
✳︎ 思考制止 (しこうせいし)→思考の進み方の速度が遅くなる状態。 考えが思うように頭に浮かばなかったり、判断力が低下して結論を自分でうまく引き出せない、頭が空っぽになったように感じて何も思考することができないなどと感じる。 うつ状態に多い。
✳︎ 迂遠(うえん)→思考目標は見失われないが、1つひとつの観念にこだわって詳しく説明するので、回りくどく、要領よく思考目標に到達できないものをいう。
✳︎ 保持障害(ほじしょうがい)→過去に覚えた記憶の材料が消失する状態。「大統領の名前が出てこない」「以前行ったレストランの名前が思い出せない」などは「想起障害(追想障害)」。しばらくして思い出せたり、ヒントにより思い出すことができれば正常範囲なので大丈夫。
記憶力は3種類。 1.記銘力(新しいことを覚えこむ力 ) 2.保持力(覚えたこをを記憶のなかにとどめておく力) 3.想起力(あらためて過去の記憶を呼び起こす力)。
✳︎ 思考途絶(しこうとぜつ)→突然、思考の流れが途切れてしまう状態。 話の途中で突然黙り込んだり、途切れたところから唐突に話し出したりする。 統合失調症に多い。
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奥平 智之
日本栄養精神医学研究会 会長
医療法人 山口病院 副院長
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