腸内細菌が作り出す『短鎖脂肪酸』と『ビタミン B 群』 はどこでエネルギー代謝に関与するのでしょうか?
「ネオグルコジェネシス(新しい糖新生経路)」は、ピルビン酸、乳酸、グリセロール、糖原性アミノ酸、脂肪酸などの炭水化物でない炭素基質からグルコース(ブドウ糖)を合成する経路です。
食物繊維が腸内細菌の発酵により作られる「短鎖脂肪酸」も、グルコース(ブドウ糖)の生成、エネルギー(ATP)産生に寄与します。
ヒトにとって最も重要なエネルギー源であるグルコース(糖)を適切なレベルに維持するための主要なメカニズムは、新糖新生とグリコーゲンの分解です。
腸内細菌は、わたしたちの栄養の獲得とエネルギー調節に影響を与えます。そのため、腸が悪いと、効率よくエネルギー(ATP)産生できずに、肥満や糖尿病になりやすくなる可能性があります(Kimura I, et al. The SCFA Receptor GPR43 and energy metabolism. Front Endocrinol (Lausanne) 2014;5:85. )。
食物繊維は、「代謝燃料」!!
なんと、腸の上皮細胞によって得られるエネルギーの70パーセントは、腸内細菌がつくる短鎖脂肪酸(酪酸)に由来することが実証されています(Serpa J.2010)。
短鎖脂肪酸により1日のカロリーの約10%を提供できます(Bergman EN.1990)。
腸内環境を良くする「食物繊維(ファイバー)」は、細胞の元気(エネルギー)を作り出します。
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奥平 智之
日本栄養精神医学研究会 会長
医療法人 山口病院 副院長
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