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執筆者の写真奥平智之

【認知症予防】脳の健康と有酸素フィットネス:運動習慣がある人は、動いていないときでも、脳の血流を増加させることができます。

更新日:2023年5月10日


運動習慣がある人は、動いていないときでも、脳の血流を増加させることができます。


脳血流は、記憶や思考力の高さに関連しています。

活発なウォーキングは、記憶障害のある高齢者の脳の健康と思考を改善します。


記憶喪失の初期兆候(軽度認知障害:MCI)がある中高年の人たちは、頻繁に歩き始めたところ、認知スコアが上昇しました。

加齢に伴う脳血流の低下を考えると、生涯を通じて有酸素フィットネスを維持することが大切です。


Bailey, D. M., (2013). Elevated aerobic fitness sustained throughout the adult lifespan is associated with improved cerebral hemodynamics. Stroke, 44(11), 3235-3238.

Tarumi, T., et al (2013). Central artery stiffness, neuropsychological function, and cerebral perfusion in sedentary and endurance-trained middle-aged adults. Journal of hypertension, 31(12), 2400-2409.

Tomoto, T.,et al (2021). One-Year Aerobic Exercise Reduced Carotid Arterial Stiffness and Increased Cerebral Blood Flow in Amnestic Mild Cognitive Impairment. Journal of Alzheimer's Disease, (Preprint), 1-13.



コルチゾールの上昇は、女性や記憶障害のある成人に有害な認知的影響を及ぼします。


200人の高齢者を対象としたコミュニティベースの縦断的研究では、コルチゾールレベルが最も高い女性のテストスコアが最も低く、2年半、レベルが上昇し続けると認知機能低下のリスクが高まりましたが、男性の場合、コルチゾールの変動に認知能力は無関係でした。


Seeman, T. E., et al(1997). Increase in urinary cortisol excretion and memory declines: MacArthur studies of successful aging. The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism, 82(8), 2458-2465.



身体活動は、神経伝達物質と成長因子(つまり、脳由来神経栄養因子とインスリン様成長因子I)を誘発し、循環テストステロンレベルを上昇させ、インスリン抵抗性を低下させます。これらのそれぞれは、タンパク質のクリアランスの増加または産生の減少を介して、脳内のアミロイド-βのレベルを低下させることが示されています。


さらに、神経伝達物質、成長因子、テストステロンの誘導は、海馬の神経新生とシナプス可塑性の強化につながります。

より大きな身体活動に応じた脳血流の増加も、この関連において役割を果たしている可能性があります。


Brown, B. M., et al.(2013). Multiple effects of physical activity on molecular and cognitive signs of brain aging: can exercise slow neurodegeneration and delay Alzheimer’s disease?. Molecular psychiatry, 18(8), 864-874.



有酸素運動をすることで、脳の神経を成長させるBDNF(神経の栄養因子)が記憶と司る海馬などで分泌されます。

さらに、脳内のアセチルコリン・セロトニンなどの神経伝達物質の増加につながります。



高齢の方の認知症予防には、靴を履いて外を歩くことが大切です。


頭蓋骨がリズミカルに上下にゆれ、脳が上下に揺すられてシェイクされます(脳シェイク)。その結果、脳循環のサポートにつながります。

高齢者では、とくに室内だとすり足になりがちで、あまり上下に揺れません。

歩くことで、脳の循環を良くします。



●まとめ

歩くことは、認知症予防に大切です。

脳内にすでに多くのアミロイドを持っている人の海馬の萎縮を軽減したのは、ストレッチ運動ではなく有酸素運動です。

週5日30分以上の運動を行いましょう。






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奥平智之

日本栄養精神医学研究会 会長

医療法人 山口病院 副院長

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