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執筆者の写真奥平智之

活性酸素と精神疾患

更新日:2023年6月14日

活性酸素は、細菌やウィルスを殺したり、エネルギーを効率的に生産するなど、私たちのからだに必要なものです。


しかし、多すぎる活性酸素は、脳の細胞に大きなダメージを与えて、脳細胞が死んでしまいます。


活性酸素が生まれる原因は、炎症(腸内環境の悪化や脂肪肝など)、糖化(糖尿病など)、重金属(水銀など)、感染、喫煙、不眠、心身のストレス、精神症状、ビタミンやミネラルの不足などです。


体は抗酸化物質を作り出して、活性酸素の量が、脳細胞における致命量まで高まらないように抑えてくれています。


健康な脳細胞を保つためには、少なくとも脳にとって有害なものが入らないように血液脳関門(BBB)のタイトジャンクションがきちんと機能していること。

そして、脳内で発生した過剰な活性酸素を打ち消すための十分な抗酸化物質があることが大切です。


からだの抗酸化力より、脳の活性酸素が大幅に多ければ、脳へのダメージ(脳の萎縮、認知機能の低下など)をもたらします。


例えば、統合失調症。幻聴などの再発を予防することが大切である理由の1つは、「脳の細胞を守る」ことにあります。


例えば、きちんと寝ること、足りないビタミンやミネラルを適正化することは、抗酸化力を高めます。


統合失調症は、高校生ころ以降のある時期に発症しやすいです。この時期のココロやカラダのストレスによる過剰な活性酸素は、発症の引き金の1つとなる可能性があります。


統合失調症や自閉症は、抗酸化に大切なタンパク質(メタロチオネイン(亜鉛タンパク)とグルタチオン)が不足しやすいです。 つまり、健康な人よりも、過剰に活性酸素を生み出しやすく、抗酸化力が低い状態にあります。










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奥平 智之

日本栄養精神医学研究会 会長

医療法人 山口病院 副院長

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