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執筆者の写真奥平智之

【開催報告】第52回埼玉若手漢方医会 特別講演 河野吉成先生 19.4.11


特別講演:「アトピー性皮膚炎の漢方治療」河野吉成 先生 つくし診療所 院長

【どうする?アトピー性皮膚炎の漢方治療】河野先生講義  ●血虚(血が足りない)の基本漢方:四物湯(しもつとう:当帰・芍薬・川きゅう・地黄)を基本とした漢方薬 1.温清飲(うんせいいん) 2.当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) 3.加味逍遙散(かみしょうようさん) 4.十全大補湯(じゅうぜんたいほとう) 5.当帰飲子(とうきいんし) 6.芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう) 7.芎帰調血飲(きゅうきちょうけついん) 8.消風散(しょうふうさん)


●温清飲(うんせいいん)(=「四物湯」血を補う+「黄連解毒湯」抗炎症) ★血流が悪い人: ①温清飲 + 桂枝茯苓丸 (けいしぶくりょうがん)・・・症状が慢性化して色素沈着が目立ち、苔癬化が見られるもの ②温清飲 + 桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん)・・・・湿疹にニキビが混在する場合

★痒疹が見られるもの、 化膿を繰り返すもの: ③温清飲 + 十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)

・難治に経過する成人型アトピーでは四肢に結節性痒疹が多発するケースがある。この場合は十味敗毒湯を合わせると効果的。 ・慢性に続く湿疹は感染症を起こし易く、度々とびひなどの皮膚感染症を生じるものには、十味敗毒湯を合わせる。

《脾》 ・不規則な食生活や良くない食習慣は「脾胃」の働きを低下させ、「水湿」を貯留させます。 ・「脾虚」に陥ると、疲れ易い、体が冷える、朝起きられない、などの症状が現れ、皮膚症状の悪化に繋がります。

《肺》「肺は皮毛を主る」 ・運動不足は「肺気」の「宣発」機能を失調させ、「肌表」の働きを低下させます。 ・発汗の悪化は皮下に「水湿」を留め、湿疹を生じます。

《腎》「腎は水を主り、五臟六腑の精を受けて之を蔵す」 ・深夜帯から早朝(第五更の時間)にかけて睡眠が不足すると、「腎」ばかりでなく「脾」も失調します。 ・「腎気」が不足すると体は冷え、「水」が貯留します。

《肝》「肝は疏泄を主る」「肝は血を蔵す」 ・過度の緊張やストレスを感じると「肝」の「疏泄」機能が悪化します。 ・このことが「脾」の「運化」機能の低下に繋がり、全身の「水」の輸送が停滞しますので、湿疹症状が増悪します。

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