【リーキーガット(腸漏れ)症候群とゾヌリンの仕組み】
リーキーガットという言葉は、Leaky (漏れている)Gut(腸)という意味で、Increased Intestinal Permeability(腸管壁浸漏症候群)とも言います。 これは、小腸粘膜の細胞と細胞の間のタイト・ジャンクション(密着結合)が緩んでくる状態です。
その結果、有害なカビやウイルスや細菌、重金属、有害な食物がカラダの中の血液中に入り込んでしましまいます。血流に乗った毒素や食べ物などが、免疫システムと肝臓に負荷をかけます。
グルテンを構成する「グリアジン」が、細胞膜の受容体にくっついて、細胞から『ゾヌリン(zonulin) 』という成分を分泌させます。 そして、このゾヌリンがタイトジャンクションをゆるめてしまいます。 そのため、血中を循環しているゾヌリンの濃度は、リーキーガット(腸漏れ)の程度の参考になります。
ゾヌリン経路の調節不全は、タイトジャンクションの透過性を増加させ、自己免疫疾患、癌、炎症などを引き起こす可能性があります(Sturgeon C, Fasano A. Zonulin, a regulator of epithelial and endothelial barrier functions, and its involvement in chronic inflammatory diseases. Tissue Barriers. 2016 Oct 21;4(4))。
ゾヌリンは、炎症性サイトカインIL-6で促進されます(Oliviero S, Cortese R.. The human haptoglobin gene promoter: interleukin-6-responsive elements interact with a DNA-binding protein induced by interleukin-6 . EMBO J 1989; 8 :1145-51)。
また、血清ゾヌリンは、肥満症の重症度と相関していたとの報告もあります(Pacifico L, Bonci E, Marandola L, Romaggioli S, Bascetta S, Chiesa C.. Increased circulating zonulin in children with biopsy-proven nonalcoholic fatty liver disease . World J Gastroenterol 2014; 20:17107-14)。
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「メンタルヘルスは食事から」 日本栄養精神医学研究会 奥平智之 作成
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